今日は、ダイレクトボンディングの説明です↑CR(歯に詰める白いコンポジットレジンという樹脂)がボロボロに剥がれつつあります。(向かって右の前歯)なので修復して治す必要があります。
↑レントゲンを撮って見てみると、完全に剥がれてしまっていますが、神経は残せそうなレントゲン像です。
↑まず、古いCRを全て除去しました。この時、少しでも古いCRがあると、接着不良を起こしてしまいますので、拡大鏡を用いて慎重に古いコンポジットレジンは削除しました。CRは、歯と同じ色なので,細心の注意が必要です。新鮮な切削面にのみ、接着剤はくっつきます。ダイレクトボンディングなら最小限の歯牙削合で済みます。
↑ダイレクトボンディング完了です。この後、20年はもって欲しいと思っています。ダイレクトボンディングが私の一番好きな治療法です。治療費はこれから行う場合、33,000円になりました。
ダイレクトボンディングでは、鋸状に辺縁を設定します。しかも薄く意向的に設定しますその理由は、着色した場合、ポリッシングしたら着色が落ちるということと、そもそも、鋸状に設定すれば、色合わせが近寄ってくるからです。ダイレクトボンディングは歯の削合量が少なく治療できるというメリットがあります。しかし、ダイレクトボンディングができない場合、(適応症ではない場合)は歯を大きく削合してのクラウンの方が中途半端に歯質を残すより歯の寿命が伸びます。歯を削合しないことは歯の寿命を伸ばすことに貢献します。しかし、むやみに歯質を残せばいいというものでは御座いません。むやみに残せば、そこが割れて、さらに置きな処置が必要になってしまいます。例えば、神経を抜いた歯の歯質を残そうと思って、第1大臼歯をCR充填だけして終わったとします。そうしたら第1大臼歯が破折しました。破折した歯は破折の方向が悪かったら抜歯になってしまいます。歯質を残すことによって歯の寿命が短くなってしまうこともあるのです。なので注意して適応を選ばなければなりません。今回の場合はクラウンにするか、ダイレクトボンディングにするかで、比べるとダイレクトボンディングの方が歯の寿命に貢献すると考えたのでダイレクトボンディングを選択しました。ですが、全部が全部ダイレクトボンディングができるといったわけでは御座いません。きちんと適応症を選ぶことが大事なのです。適応症を間違えなければダイレクトボンディングで歯の寿命は確実に伸びます。ダイレクトボンディングの勇逸の欠点としては、治療時間が1時間と結構長くなってしまう事なのです。患者さんが1時間だと疲れてしまいますが、その患者さんの歯を治すことなのでしょうがない事なのです。